スマホ・PC・車の中でAIを動かす流れに合わせて、端末ごとに積むメモリが増えています。この記事では、この流れがなぜLPDDR(スマホなどに使う省電力のメモリ)の需要を押し上げるのかを整理します。
※本記事は広告・PRを含みます。2026年5月時点の情報をもとに作成しています。
AIはクラウドからエッジへ|静かに進む第2の革命
ChatGPTやGemini、Claudeといった生成AIの多くは、クラウド上のデータセンターで動いています。ただ2025年以降は、AIを端末側(エッジ)で動かす取り組みも急速に広がっています。
Appleは「Apple Intelligence」で一部のAI処理をiPhone・Macの内部で完結させる方針を打ち出しました。Microsoftも「Copilot+ PC」というカテゴリで、ローカルでAIが動くPCを推進しています。自動車業界では、テスラをはじめ各メーカーが車載AIコンピュータでリアルタイムに推論(AIが答えを出す処理)を行う方向に進んでいます。
本記事の結論:エッジAIの立ち上がりは、メモリ株にとってデータセンター向けHBMに次ぐ第2の成長エンジンとなる。スマホ・PC・車載で1台あたりのメモリ搭載量が増え、LPDDR5X/LPDDR6の需要が伸びると見られている。投資家にとっては、HBMとは別の「もう一つの成長軸」として注目できるテーマ。
ただし、メモリには価格の好不況の波があり、テーマの広がりがそのまま株価に表れるとは限りません。その点も頭に置きながら読み進めてください。
Apple IntelligenceとユニファイドメモリM4が求めるもの
2024年6月、AppleはWWDCで「Apple Intelligence」を発表しました。これは、iPhone・iPad・Mac上でAI処理を行う機能の集まりで、プライバシー保護と低遅延を両立させる設計です。
Apple Intelligenceが求めるメモリ要件
- AppleのデバイスでローカルAIモデルを動かすには最低8GB RAMが必要
- iPhone 15ではRAM不足のため、Apple Intelligenceの対象はiPhone 15 Pro以上に限定
- iPhone 16全モデル・iPhone 17以降はRAMが増強され対応
iPhoneのRAMは長く4〜6GBが続いていましたが、Apple Intelligenceへの対応に合わせて、上位モデルでは8GB→12GBへと段階的に増強されています。世界で年間2億台以上売れるiPhoneで、RAMが1.5倍になる機種が増えれば、LPDDR5Xの需要を押し上げる要因になります。
MacのユニファイドメモリもAI適応
Apple Silicon搭載Mac(M1〜M4)は、CPUとGPUが同じメモリを共有する「ユニファイドメモリ」方式です。AI処理のときは、このメモリ容量がそのままAIモデルのサイズ上限になります。そのため、Macの標準メモリ容量は2024年に8GBから16GBへ引き上げられ、上位構成ではさらに大容量を選べるようになっています。
Copilot+ PC市場の立ち上がり
Microsoftは2024年に「Copilot+ PC」というAI PCの新カテゴリを正式に立ち上げました。Copilot+ PCは、次の要件を満たすPCです。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| NPU性能 | 40 TOPS以上(AI処理専用プロセッサ) |
| RAM | 16GB以上必須 |
| ストレージ | 256GB SSD以上 |
| OS | Windows 11 + Copilot連携 |
Qualcomm Snapdragon X Elite・AMD Ryzen AI・Intel Core Ultra(Lunar Lake)を搭載したPCが、続々と投入されています。AI処理向けのPCは、今後さらに増えていくと見られています。
これまでの一般的なPCはRAM 8GBが標準でしたが、Copilot+ PCでは16GB以上が要件です。世界で年間2億台を超えるPC市場で搭載RAMが増えれば、DRAM市場全体を押し上げる要因になります。
車載AI|テスラ・NVIDIA DRIVE・AMDの競争
自動運転・ADAS(先進運転支援システム)の領域でも、車載AIコンピュータの高性能化が進んでいます。
| ソリューション | 提供元 | メモリ仕様 | 採用車種 |
|---|---|---|---|
| Tesla FSD Computer HW4 | Tesla自社設計 | GDDR6 16GB | Tesla全車種 |
| NVIDIA DRIVE Thor | NVIDIA | LPDDR5X 128GB(上位構成) | Mercedes、BYD、NIO等 |
| Qualcomm Snapdragon Ride | Qualcomm | LPDDR5X 32GB〜 | BMW、Ford等 |
| AMD Ryzen Embedded | AMD | LPDDR5 16〜32GB | Tesla(車内の情報画面用のコンピュータ)、新興EVメーカー |
車載AIメモリの特徴は、通常のLPDDRと比較して動作温度範囲が広く、信頼性要件が厳しいことです。そのため一般向けより単価が高くなりやすく、メーカーの利益率も高い傾向があるとされます。
1台あたりのメモリ搭載量が2025年から急増
ガソリン車のメモリ搭載量は合計1〜2GB程度でした。しかしEV・自動運転車では、車載AIコンピュータだけで16〜128GBのメモリが必要です。1台あたりのメモリ量が桁違いに増えるため、車載向けメモリ市場は今後の成長分野とみられています。
エッジAIメモリの主力プレイヤーMicronをDMM株で購入
MicronはLPDDR5X・LPDDR6・車載向けメモリを手がける主要メーカーの一つです。DMM株はNISA口座なら米国株の取引手数料0円(課税口座は約定代金×0.495%・上限22ドル)で、1株から投資可能です(1株の金額は株価で大きく変わります)。
LPDDR5XとLPDDR6の需要予測
LPDDRは「Low Power DDR」の略で、低消費電力DRAMの規格です。スマホ・ノートPC・タブレット・車載AIなど、バッテリー駆動や省電力が求められる機器で使われています。
| 世代 | 量産開始 | 最大速度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| LPDDR4X | 2018年 | 4,266 Mbps | 旧世代スマホ・PC |
| LPDDR5 | 2020年 | 6,400 Mbps | iPhone 14 Pro・Samsung Galaxy S21 |
| LPDDR5X | 2022年 | 8,533 Mbps | iPhone 16・最新Android・MacBook |
| LPDDR6 | 2026〜2027年 | 10,667〜14,400 Mbps(規格) | 次世代AI PC・次世代スマホ |
LPDDR6は2026〜2027年に量産が始まり、エッジAI向けのPC・スマホで広く使われていくと見られています。JEDEC(半導体の規格を決める業界団体)の規格では、LPDDR6の速度は10,667〜14,400 Mbpsです。下限の速度でもLPDDR5X(8,533 Mbps)より約25%速くなり、省電力化も進むとされています。
エッジAIで恩恵を受ける企業
エッジAI市場の拡大で恩恵を受ける企業を、領域別に整理します。
| 領域 | 企業 | 恩恵のポイント |
|---|---|---|
| LPDDR大手 | SK Hynix | LPDDR5X・LPDDR6で先行量産 |
| LPDDR大手 | Samsung Electronics | モバイル向けDRAM最大手 |
| LPDDR大手 | Micron Technology | 米国唯一のLPDDRメーカー、車載向け強み |
| NANDストレージ | キオクシア(285A) | スマホ・PC・車載のSSD・eMMC需要 |
| NANDストレージ | Sandisk(旧Western Digitalのフラッシュ事業) | エンタープライズSSD・車載向け拡大 |
| 半導体装置 | 東京エレクトロン(8035) | LPDDR/NAND製造装置の主要サプライヤー |
| 半導体装置 | アドバンテスト(6857) | メモリテスタの大手 |
HBMで注目されるSK HynixとMicronは、LPDDR市場でも主要なメーカーです。メモリ3強は「HBM」と「LPDDR」の両方で、AI時代の二重の追い風を受けやすい立場にあります。
キオクシアの隠れた強み
キオクシア(旧東芝メモリ)は、NANDフラッシュメモリの世界大手で、売上高シェアは世界3位です(TrendForce調べ・2025年10〜12月期、出典)。エッジAI時代には、AI処理に必要な大容量ストレージの需要が増えると考えられます。スマホで生成された動画・画像・音声データ、PCでローカルに保存されるAIモデル、車載データロガーなど、エッジ側のストレージ需要も伸びていくと見られます。
キオクシア株(銘柄コード:285A)は、松井証券で取引可能です。
日本のエッジAIメモリ関連株を松井証券で購入
キオクシア(285A)、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)などの日本半導体関連株を、1日50万円まで手数料無料で取引できます。NISA口座も完全無料で開設できます。
エッジAIメモリ市場の伸びをどう見るか
スマホ・PC・車載向けメモリの伸びを知りたいときは、Micron・SK Hynix・Samsungなどの決算資料を見るのが確実です。「モバイル向け」「PC向け」「車載向け」の売上や見通しが示されています。
エッジAI時代の投資戦略
エッジAIのテーマに投資するときの考え方を、リスクの取り方別に整理します。
保守的アプローチ:分散投資
- 半導体ETF(SOXX、SMH、国内2244など)で幅広く分散
- メモリ3強のうち、特定の会社だけに頼らずに済む
- NVIDIA、TSMC、Qualcommなども含まれる
標準的アプローチ:個別銘柄を3〜5銘柄
- Micron(MU):米国唯一のDRAMメーカー、LPDDR・車載に強み → DMM株
- キオクシア(285A):エッジAIのNANDストレージ需要 → 松井証券
- 東京エレクトロン(8035):LPDDR/NAND製造装置 → 松井証券
- アドバンテスト(6857):メモリテスタ大手 → 松井証券
積極的アプローチ:韓国メモリ株も組み込む
- SK Hynix(000660)・Samsung(005930)を韓国株口座で保有
- 国内ではSBI証券の韓国株口座で取引できる
- 為替リスクと地政学リスクに注意
エッジAI時代のメモリ株を買うならDMM株 + 松井証券
米国株のMicronはDMM株で、日本のキオクシア・半導体装置株は松井証券で購入可能。両方の口座を持っておくと、エッジAI時代のどの銘柄にもアクセスできます。
Q&A
Q. エッジAIとは何ですか?
A. エッジAIとは、クラウドサーバーではなく端末(スマホ・PC・車など)の内部でAI推論を実行する仕組みです。Apple Intelligence、Copilot+ PC、車載AIなどが代表例で、プライバシー保護・低遅延・通信コスト削減を目的としています。
Q. エッジAIでどのメモリが使われますか?
A. 主にLPDDR5X・LPDDR6などの低消費電力DRAMが使われます。スマホではLPDDR5X、ハイエンドPCやMacではユニファイドメモリ方式のLPDDR、車載AIでは高信頼性仕様のLPDDRやカスタムHBMが採用されています。
Q. エッジAI時代で恩恵を受けるメモリ企業は?
A. LPDDR系ではSK Hynix・Samsung・Micronのメモリ3強に加え、キオクシアや、Western Digitalから分かれたSandiskなどのストレージメーカーにも追い風になると見られます。Micronは、米国CHIPS法の補助を受けて米国内で新工場の建設を進めています。
Q. エッジAIのメモリ市場はどのくらい成長しますか?
A. 市場規模の予測は調査会社によって異なり、本記事では出典を確認できた数字がないため具体的な金額は載せていません。スマホではApple Intelligence対応でiPhoneのRAMが増え、PC(Copilot+ PCは16GB以上が要件)・車載でも1台あたりのメモリ搭載量が増える流れにあります。
Q. エッジAIメモリ株はどこで買えますか?
A. Micron(MU)は米国株としてDMM株で、キオクシア(285A)は日本株として松井証券で購入できます。SK HynixとSamsungは韓国株で、国内ではSBI証券の韓国株口座が必要です。
まとめ
エッジAIは、データセンター向けHBMに続くメモリ株の「第2の成長エンジン」になると見られています。スマホ・PC・車載で端末側のAI処理が広がるにつれて、LPDDR5X/LPDDR6とNANDストレージの需要も伸びていく見込みです。
- Apple Intelligence対応で、上位モデルのiPhoneのRAMが8GB→12GBへ(1.5倍に)
- Copilot+ PCでPC標準RAMが8GB→16GB以上に
- 車載AIで1台あたりメモリが1-2GB→16-128GBに
- メモリ3強は「HBM」と「LPDDR」の二重の追い風
この流れは、短期で終わらず長期のテーマになると見られています。ただしメモリ価格には好不況の波があるため、その点には注意が必要です。DMM株と松井証券の口座があれば、米国メモリ株と日本の半導体関連株の両方を取引できます。
次の決算発表で、Micronなどが示す「モバイル向け」「車載向け」の売上の動きを見比べてみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的とするものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。
※記事中の製品仕様・台数などは、特記のない限り2026年5月時点の情報です。

