NVIDIA Blackwell GPU 1枚に載るHBM(高帯域幅メモリ)の個数・容量と、製造コストに占める割合を、公式情報と調査機関の推定で整理します。なぜ今「NVIDIAだけでなくメモリ株」にも注目が集まるのかを見ていきます。
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なぜ今「NVIDIAだけでなくメモリ株」が注目されるのか
📊 NVIDIA Q2 FY27 決算速報(2026年8月26日発表)
売上 962億ドル(+106% Y/Y)、Data Center売上 890億ドル(+117% Y/Y)。Q3見通しは1,080億ドル、通期FY2028は売上成長 約70%の見通しです。
AI投資の主役は、長らくNVIDIAでした。GPU需要が急に伸びるとともに株価は数倍に上昇し、多くの投資家に利益をもたらしてきました。そして2026年現在、投資家の間では次のような視点も広がっています。
「NVIDIAのGPUを実際に動かしているのは何だろう?」
答えは、GPUと並んで基板に載っているHBM(高帯域幅メモリ)です。GPU本体(シリコンダイ)がいくら高性能でも、データを送り込むHBMがなければ1秒も動きません。しかもHBMは、世界への供給のほとんどを3社(SK Hynix・Samsung・Micron)が担う寡占市場です。中国の華為(ファーウェイ)も、自社開発のHBMを自社のAIチップに載せ始めています(TrendForce 2026年3月23日)。
本記事の要点:調査機関の推定では、Blackwell(B200)1枚の製造コストの約半分(約46%)をHBMが占めます。GPUの売れ行きは、HBMを作るSK Hynix・Micron・Samsungのメモリ3強の売上にもつながります。
ただし、製造コストの内訳は公表されておらず、ここでの割合は調査機関の推定です。数字は幅をもって受け止めていただくのが安心です。
本記事では、NVIDIA BlackwellシリーズのGPU 1枚に載っているHBMの構造・個数・価格を、公開情報と調査機関の推定で分解します。そのうえで、なぜメモリ株にも注目が集まるのかを解説します。
NVIDIA Blackwellシリーズ一覧|B100/B200/GB200/B300の違い
まずは、NVIDIAが2024〜2026年にかけて投入しているBlackwellシリーズのラインナップを整理します。
| GPU名 | リリース時期 | HBM容量 | HBMスタック数 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| B100 | 2024年後半 | 192GB | HBM3E ×8 | AIトレーニング・推論 |
| B200 | 2025年 | 192GB | HBM3E ×8 | ハイエンドAIトレーニング(現行主力) |
| GB200 | 2025年 | 384GB | HBM3E ×16(B200 ×2) | データセンター最上位 |
| GB200 NVL72 | 2025年 | 13.8TB | HBM3E ×576 | ラック単位のAI工場 |
| B300 (Ultra) | 2025年後半 | 288GB | HBM3E ×8(容量増) | 推論最適化 |
注目すべきは、GB200 NVL72というラック1本の構成です。これは72基のB200 GPUを1つのラックにまとめた大型の製品で、1ラックあたりのHBM搭載量は13.8TBに達します。
Microsoft・Google・Meta・AmazonといったBig Techは、このGB200 NVL72ラックをデータセンターに数千〜数万台単位で導入しています。彼らが投じるCAPEX(設備投資)のかなりの部分が、そのままHBMメーカーの売上に変わっている構図です。
Blackwell GPU 1枚に載るHBMの内訳を分解します
では、NVIDIA B200 GPU 1枚には、実際に何が載っているのでしょうか。構成を分解してみましょう。
B200の物理構成
B200は中央に2つのGPUダイ(シリコンチップ本体)を持ち、その周囲を8個のHBM3Eスタックが囲む構造になっています。HBM1スタックあたりの容量は24GB、これが8個で合計192GBです。
| 構成要素 | 数量 | 役割 |
|---|---|---|
| GPUダイ(TSMC 4NP) | 2個(連結) | 演算処理の本体 |
| HBM3E(24GB/スタック) | 8スタック | GPU用高速メモリ |
| CoWoS-L(パッケージング) | 1基板 | GPUとHBMの配線統合 |
| NVLink 5(チップ間接続) | 内蔵 | GPU間1.8TB/s通信 |
HBM1個(24GBスタック)の中身
24GBのHBM3Eの1スタックは、内部にDRAMダイを8層積み重ねた3D構造です(36GB品は12層)。積み重ねたダイを貫くTSV(Through Silicon Via:貫通電極)で信号を高速に伝えます。HBM3Eの製品そのものは、1スタックあたり1.2TB/sを超える帯域を持ちます(Micron公式)。B200では、8スタック合計で約8TB/s(1スタックあたり約1TB/s)です(NVIDIA公式:DGX B200は8基で64TB/s)。
作る難しさは通常のDDR DRAMより高く、これがHBMの価格を押し上げ、メーカーの利益率を高める要因になっています。
GPUの製造コストの約半分はHBM|内訳の推定
AIの調査機関Epoch AIは、B200 1枚の製造コストを約6,250ドル(推定幅5,700〜7,300ドル)と推定しています。内訳は以下の通りです(出典:Epoch AI「NVIDIA’s B200 costs around $6,400 to produce」(2025年12月10日公開))。
| 構成要素 | 推定コスト | 構成比 |
|---|---|---|
| HBM3E(192GB) | 約2,900ドル | 約46% |
| 先端パッケージング(CoWoS-L) | 約1,100ドル | 約18% |
| パッケージング時の歩留まりロス | 約1,000ドル | 約16% |
| GPUダイ(TSMC 4NP) | 約900ドル | 約14% |
| その他の部品 | 約480ドル | 約8% |
| 合計(中心推定) | 約6,250ドル | — |
※Epoch AIによる推定値です。構成比は端数の関係で合計が100%になりません。実際の仕入価格は公表されていません。
この推定では、B200 1枚の製造コストの約半分がHBMです。GPUダイ本体よりも、HBMのほうが高くなっています。
見落とされがちな点:この推定に従えば、NVIDIAがB200を1枚売るたびに、HBMを納めるメモリメーカーには約2,900ドル分の売上が生まれる計算です。GPUが売れるほど、その裏側でメモリメーカーの売上も積み上がります。
NVIDIAはGPUを「どう売っている」のでしょうか
B200の販売価格は、1枚3万〜4万ドル程度と報じられています(同じEpoch AIの分析より)。製造コストとの差は大きく、粗利の多くはNVIDIAが獲得する一方、HBMの売上はメモリメーカーに入ります。
整理すると、次のような構造です。
- NVIDIA:高収益だが、競合が現れて利益率が下がるリスクがある
- メモリ3強:GPUの出荷量に応じて売上が積み上がる。ただし、メモリ価格の変動の影響を受ける
米国メモリ株(Micron Technology)に投資するならDMM株
HBMの主力サプライヤーの一角であるMicronの株(NASDAQ: MU)は、DMM株で購入できます。NISA口座なら米国株の取引手数料が0円(課税口座は約定代金×0.495%・上限22ドル)で始めやすく、スマートフォンで本人確認をすれば、最短即日で取引を始められます。
なぜSK Hynixが最も恩恵を受けやすいのか
HBM全体の売上シェアは、調査会社の集計で以下の通りです(Counterpoint Research調べ(Asia Business Daily 2026年9月3日報道)・2026年4〜6月期)。売上金額で数えた割合なので、出荷量で数えた割合とは一致しません。
| メーカー | HBM売上シェア(2026年4〜6月期) | 状況 |
|---|---|---|
| SK Hynix | 50% | NVIDIAの筆頭サプライヤー。12層HBM3Eの量産で先行 |
| Samsung Electronics | 33% | 12層品の認定で出遅れたが、1〜3月期の21%から伸ばした |
| Micron Technology | 18% | HBM3Eは2024年から本格供給。HBM4は2026年1〜3月に大量出荷を開始 |
NVIDIAのBlackwell向けに、最も多くHBMを供給しているのはSK Hynixです。Blackwellの生産台数が増えるほど、SK Hynixの売上と利益も伸びやすくなります。
SK Hynixの強みは「TSV技術」と「歩留まり」
HBMの製造では、DRAMダイを12層など高く積み重ね、それを貫く電極(TSV)で信号を送る、高度な3D実装が必要です。この工程はとても難しく、層が増えるほど歩留まり(良品になる割合)が落ちます。
SK Hynixは2013年の初代HBMから一貫してこの技術をリードしており、HBMの売上シェアでも首位を保っています(上の表)。
SK Hynix株(韓国株式銘柄コード:000660)は、日本国内の主要ネット証券ではSBI証券の韓国株口座でのみ購入可能です。また、2026年7月に米ナスダックへ上場したADR(SKHY・1ADR=普通株の10分の1)なら、米国株を扱う証券会社の口座でも買えます(目論見書)。
Micronが注目される理由と、モルガン・スタンレーの評価
Micronは、メモリ3強の中で唯一の米国企業です。モルガン・スタンレーは2025年11月、Micronを「トップピック」(最も推す銘柄)に挙げ、目標株価を325ドルに引き上げました。DRAMの品不足で利益がこれまでにない水準まで伸びる、とみたためです(Investing.com 2025年11月13日)。ただし2026年3月には、トップピックの座はNVIDIAに移りました(Yahoo Finance 2026年3月3日)。それでも2026年9月下旬の時点で、評価は「オーバーウェイト」(強気)、目標株価は1,200ドルと報じられています(TipRanks〈The Fly〉2026年9月28日)。
このほかに、Micronが注目される点として次の3つがあります。
- HBM3Eの出荷が2024年から本格化し、次の世代のHBM4も2026年1〜3月に大量出荷を始めた(Micron公式 2026年3月16日)
- 米国政府のCHIPS法の補助金の対象になっている
- ほかの2社は韓国企業なので、米国企業のMicronを持つと、国ごとのリスクを分けて考えやすい
マイクロンは2026年9月30日の決算説明会で、2027年分のHBM供給量の大部分を前年より大幅に高い価格で契約済みであることを説明しました。あわせて、NVIDIAと業界初の特注型HBM4E「NVHBM」に取り組み、次世代のGPUなどに採用予定であることも説明しました(決算説明会の原稿)。
Micronは米国株(NASDAQ: MU)としてDMM株で購入できます。
Micron(MU)はDMM株でも購入できます
NISA口座なら米国株の取引手数料0円(課税口座は約定代金×0.495%・上限22ドル)。1株単位で購入できます(1株の金額は株価で大きく変わるため、最新の株価を確認してください)。
次世代GPU「Rubin」はHBM4へ、次のRubin Ultraは2027年後半の計画
Blackwellの後継は、Rubin(Vera Rubin)です。NVIDIAは2026年8月26日の決算発表で、Rubinが本格生産に入り、CoreWeave・Google Cloud・Microsoft Azureなどでラックが動いていると発表しました(NVIDIA公式)。Rubinでは、HBMもさらに進化します。
| 世代 | Blackwell(現行) | Rubin(2026年8月に本格生産) | Rubin Ultra(2027年後半の計画) |
|---|---|---|---|
| HBM世代 | HBM3E | HBM4 | — |
| スタック数 | 8 | 8 | — |
| 帯域幅/スタック | 約1TB/s(計算:8TB/s÷8) | 約2.75TB/s(計算) | — |
| 1GPU合計帯域 | 約8TB/s | 最大22TB/s | — |
※Rubinの値はNVIDIA公式(HBM4は最大288GB・12段、帯域は最大22TB/s)によります。1スタックあたりの帯域は22TB/s÷8で計算しました(NVIDIA技術ブログ)。Rubin Ultraは、NVIDIAが2027年後半に投入する計画を示していますが(NVIDIA公式ブログ 2025年3月)、HBMの世代・スタック数・帯域の数値は公式の確定値が未発表のため空欄にしています。
Rubin Ultraで1 GPUあたりのHBM搭載量がどこまで増えるかは、公式の確定値がまだ発表されていません。値段の面では、調査会社TrendForceが、値段の高いHBM4の比率が上がることなどから、2027年のHBMの平均価格は前年より121%上がると予想しています(TrendForce 2026年9月29日)。
NVIDIAがGPUを新しい世代に進めるたびに、1枚あたりのHBM売上は増えていくという見方があります。そのとおりになれば、メモリ株にとって長く続く追い風です。
日本のBlackwell関連銘柄も見ておきましょう
BlackwellとHBMの恩恵を受けるのは、メモリメーカーだけではありません。HBMを作るための装置メーカーにも、追い風が吹いています。
東京エレクトロン(8035)
HBM製造に必要な成膜装置・エッチング装置の大手です。HBMの世代交代のたびに装置需要が増えやすい構造です。
アドバンテスト(6857)
HBMのテスト工程で使用されるメモリテスタの大手です。HBMの積層数が増えるほどテスト工程も複雑化するため、HBM世代が進むほどアドバンテストの装置需要は拡大しやすくなります。アドバンテストは、NVIDIA Blackwellの販売動向の影響を業績に受けやすい立場にあります。
これらの日本株は松井証券で購入できます。松井証券は1日50万円までの取引手数料が無料で、NISA口座も完全無料です。
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Blackwell・Rubinの恩恵を受けやすいメモリ関連株3社
本記事の分析を踏まえ、Blackwell・Rubinの恩恵を受けやすい関連銘柄の例を3つまとめます。買うかどうかの判断はご自身でお願いします。
| No. | 銘柄 | 購入方法 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | SK Hynix(000660) | SBI証券(韓国株口座)/米国株口座(ADR:SKHY) | NVIDIA筆頭HBM供給元。HBM4も大量出荷中で、HBM売上シェア50%で首位 |
| 2 | Micron Technology(MU) | DMM株 | 米国唯一のHBMメーカー。CHIPS法の恩恵あり |
| 3 | アドバンテスト(6857) | 松井証券 | HBMテスタの大手。世代交代の恩恵を受けやすい |
米国株と日本株を両方カバーするなら、DMM株と松井証券の両口座を開設しておくと、どちらの銘柄も売買しやすくなります。
Q&A
Q. NVIDIA Blackwell GPU 1枚にはHBMが何個搭載されていますか?
A. B200 GPUには8スタックのHBM3E(各24GB)が搭載されており、合計192GBの高帯域幅メモリを持ちます。GB200は2基のB200を組み合わせた構成で、384GBのHBM3Eを搭載しています。
Q. BlackwellのHBMはどこのメーカーが作っていますか?
A. NVIDIA BlackwellシリーズのHBM3Eは主にSK Hynixが供給し、Micronも主要サプライヤーです。HBMの売上シェア(2026年4〜6月期・Counterpoint Research調べ)はSK Hynix 50%、Samsung 33%、Micron 18%です。Samsungは12層品の認定で出遅れましたが、1〜3月期の21%から伸ばしています。
Q. GPUの原価のうち、HBMが占める割合はどのくらいですか?
A. 調査機関Epoch AIの推定(2025年12月)では、B200の製造コスト約6,250ドルのうちHBMが約2,900ドル・約46%を占めます。GPUダイ本体(約900ドル)よりも高く、最大の費目です。
Q. 次世代GPU「Rubin」ではHBMはどう変わりますか?
A. Rubinでは、HBM4が採用されます。NVIDIAは2026年8月の決算発表で、Vera Rubinが本格生産に入ったと発表しました。Rubinは最大288GBのHBM4(8スタック)を載せ、帯域幅は1GPUで最大22TB/sと、Blackwell(B200の約8TB/s)の2倍以上です。後期モデルのRubin Ultraは2027年後半の計画で、HBMの構成は公式の確定値がまだ発表されていません。
Q. メモリ株に投資するにはどの証券会社を使えば良いですか?
A. 米国株のMicron(MU)を買うならDMM株、日本株の東京エレクトロンやアドバンテストを買うなら松井証券がおすすめです。SK HynixやSamsungの韓国株は、国内主要ネット証券ではSBI証券でのみ取り扱いがあります。SK Hynixは、2026年7月に米国に上場したADR(SKHY)なら米国株の口座でも買えます。
まとめ

NVIDIA Blackwell GPU 1枚を分解すると、製造コストの約半分をHBMが占めるという推定が見えてきます。NVIDIAのAIブームの恩恵は、GPUを作るNVIDIAだけでなく、その心臓部であるHBMを作るSK Hynix・Micron・Samsungの3社にも及んでいます。
- B200 GPU 1枚の製造コストのうちHBMが約46%を占める(Epoch AIの推定)
- HBMを大量に供給しているのは主に3社(SK Hynix・Micron・Samsung)
- 次世代RubinではHBM4に進化して容量が増え、単価も上がると予想されている
- 日本の装置メーカー(東エレ・アドバンテスト)も世代交代の恩恵を受けやすい
関心のある方は、DMM株と松井証券の口座を用意しておくと、米国株と日本株の両方を売買できるようになります。
次にNVIDIAの新製品の発表を見かけたら、HBMの容量と個数がどう変わったかに注目してみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的とするものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。
※掲載情報は主に2026年4月時点のもので、NVIDIA Rubinの生産状況とHBMシェアは2026年9月30日に確認しました(製造コストはEpoch AIの推定〔2025年12月〕、HBMシェアはCounterpoint Researchの集計〔2026年4〜6月期・売上シェア〕による)。推定値は実際の数値と異なる場合があります。最新の情報は各社IR資料をご確認ください。

