6,300億ドルというお金はどこに流れているのか
2026年、Microsoft・Google・Meta・AmazonのBig Tech 4社は、総額6,300億ドルのCAPEX(設備投資)を実行する見込みです。これはオーストラリアの国家予算に匹敵する規模で、その大部分がAIデータセンター関連の投資です。
こうしたマクロ数値を投資家として見るとき、重要なのは「そのお金が具体的に誰の懐に入るのか」を逆算することです。6,300億ドルが個別のAIデータセンターに分配され、その中のコンピュート機器に投じられ、さらにGPU・HBM・その他部品に分解される──この資金フローを追いかけることで、メモリ株が本当に巨大な恩恵を受けることが数値で理解できます。
本記事の結論:Big Tech 4社の6,300億ドルCAPEXのうち、AIインフラ向けは約4,000億ドル、そのうちGPU・HBMに流れるのは約1,500〜2,000億ドル。さらにHBM単独では約500〜700億ドルという巨大な市場になる。これがメモリ3強(SK Hynix・Samsung・Micron)の売上の純増分となる。
Big Tech 4社のCAPEX推移と内訳
まず、Big Tech 4社のCAPEX推移を時系列で確認します。
| 年 | Microsoft | Meta | Amazon | 4社合計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 約250億ドル | 約320億ドル | 約320億ドル | 約630億ドル | 約1,520億ドル |
| 2023年 | 約400億ドル | 約320億ドル | 約280億ドル | 約520億ドル | 約1,520億ドル |
| 2024年 | 約600億ドル | 約520億ドル | 約400億ドル | 約780億ドル | 約2,300億ドル |
| 2025年 | 約900億ドル | 約750億ドル | 約500億ドル | 約1,050億ドル | 約3,200億ドル |
| 2026年(予測) | 約1,300億ドル | 約1,100億ドル | 約800億ドル | 約1,450億ドル | 約4,650億ドル |
| 2027年(予測) | 約1,700億ドル | 約1,400億ドル | 約1,000億ドル | 約1,800億ドル | 約5,900億ドル |
※Oracle、TSMC、Apple、サウジARAMCO、Stargate計画(5,000億ドル)、欧州・日本・中東の国家AI投資などを含めれば、世界全体のAIインフラCAPEXは2026年に約6,300億ドルに達する規模となります。
CAPEXのうちAIインフラに向かう比率
| 用途 | 比率(概算) | 2026年の金額 |
|---|---|---|
| AIデータセンター関連 | 約60〜70% | 約3,800〜4,400億ドル |
| 既存クラウドインフラ拡張 | 約15〜20% | 約950〜1,260億ドル |
| その他(オフィス、物流等) | 約10〜20% | 約630〜1,260億ドル |
AIデータセンター1棟のコスト構造
| コスト項目 | 比率 | 1棟100億ドル規模の場合 |
|---|---|---|
| GPU・HBM等コンピュート機器 | 約40〜50% | 約40〜50億ドル |
| 建屋・土地 | 約10〜15% | 約10〜15億ドル |
| 電源・変電設備 | 約10〜15% | 約10〜15億ドル |
| 冷却システム(液冷) | 約10% | 約10億ドル |
| ネットワーク機器 | 約5〜10% | 約5〜10億ドル |
| ストレージ(SSD・HDD) | 約5〜10% | 約5〜10億ドル |
| その他(ソフト・設計) | 約5% | 約5億ドル |
GPU 1基あたりのHBM搭載量と単価
| GPU | HBM容量 | HBMスタック数 | HBM推定単価 | GPU販売価格(推定) |
|---|---|---|---|---|
| H100 SXM | 80GB | HBM3 ×5 | 約10,000ドル | 約30,000〜40,000ドル |
| H200 SXM | 141GB | HBM3E ×6 | 約14,000ドル | 約35,000〜45,000ドル |
| B200 SXM | 192GB | HBM3E ×8 | 約16,000ドル | 約40,000〜70,000ドル |
| GB200 Superchip | 384GB | HBM3E ×16 | 約32,000ドル | 約60,000〜90,000ドル |
| Rubin(次世代・予測) | 288GB〜 | HBM4 ×8 | 約25,000〜35,000ドル | 未定(上昇見込み) |
1棟あたりのHBM調達総額を試算
AIデータセンター1棟のHBM調達額(B200 10万台の場合)
= GPU数 × 1 GPUあたりHBM単価
= 100,000台 × 16,000ドル
= 16億ドル(約2,400億円)
お金の流れを可視化:
Big Tech CAPEX 6,300億ドル
↓
AIインフラ 約4,000億ドル(60%)
↓
GPU・HBM等コンピュート機器 約2,000億ドル(50%)
↓
HBM単独 約500〜700億ドル
↓
メモリ3強の売上に直接計上
この資金フローの受益者Micronをドル安のうちに仕込む
米国メモリ株Micron(MU)はHBM受益の直接的な銘柄。DMM株なら米国株取引手数料0円で、1株約1.5万円から投資可能です。
2026〜2028年の累計HBM需要
| 年 | HBM市場規模(予測) | 主な用途 |
|---|---|---|
| 2024年(実績) | 約160億ドル | H100/H200・HBM3E立ち上がり |
| 2025年(実績) | 約350億ドル | Blackwell B200量産 |
| 2026年(予測) | 約560億ドル | B200フル稼働・HBM4立ち上がり |
| 2027年(予測) | 約780億ドル | Rubin・HBM4本格展開 |
| 2028年(予測) | 約1,000億ドル | HBM4・HBM4E普及 |
| 2026〜2028年累計 | 約2,340億ドル | ― |
最も恩恵を受ける企業
| 企業 | HBMシェア | 2026年HBM売上(予測) |
|---|---|---|
| SK Hynix | 約50〜55% | 約280〜310億ドル |
| Micron Technology | 約20〜25% | 約110〜140億ドル |
| Samsung Electronics | 約20〜25% | 約110〜140億ドル |
間接恩恵:HBM製造装置メーカー
- 東京エレクトロン(8035):成膜・エッチング装置で高シェア
- アドバンテスト(6857):HBMテスタで世界シェア約70%
- ASML(オランダ):露光装置の独占的供給
投資家が今買うべき3銘柄
| 順位 | 銘柄 | HBM関連度 | 購入先 |
|---|---|---|---|
| 1位 | SK Hynix(000660) | ★★★★★ | SBI証券(韓国株) |
| 2位 | Micron Technology(MU) | ★★★★★ | DMM株 |
| 3位 | アドバンテスト(6857) | ★★★★☆ | 松井証券 |
米国株・日本株の両方をカバーする最強の組み合わせ
DMM株(米国メモリ株)と松井証券(日本半導体装置株)の両口座を開設すれば、Big Tech CAPEX 6,300億ドルの資金フローを多面的に取り込めます。
Q&A
Q. Big Tech 4社のCAPEX合計はどのくらいですか?
A. Microsoft・Google・Meta・Amazonの4社合計CAPEXは、2026年に約6,300億ドルに達する見込みです。2023年の約2,200億ドルから3年で約3倍に拡大しています。
Q. AIデータセンター1棟あたりのコストはどのくらいですか?
A. ハイパースケールAIデータセンター1棟の総投資額は約100億〜300億ドル規模です。内訳の約40〜50%がGPU・HBM等のコンピュート機器コスト、残りが建屋・電源・冷却・ネットワークなどです。
Q. 1 GPUあたりのHBM調達コストは?
A. NVIDIA Blackwell B200の場合、HBM3E 8スタック(192GB)の調達コストは約16,000ドルと推定されています。GPU本体(TSMC製造ダイ)より高く、GPU原価の約半分を占めます。
Q. AIデータセンター1棟のHBM総額は?
A. GPU 10万台規模のハイパースケールAIデータセンターの場合、HBMの総調達額は約16〜20億ドル(約2,400億〜3,000億円)に達します。
Q. HBM調達の恩恵を最も受ける企業は?
A. SK Hynix(シェア50〜55%)、Micron(20〜25%)、Samsung(20〜25%)のメモリ3強が直接的な恩恵を受けます。またHBM製造装置の東京エレクトロン・アドバンテスト、パッケージングのTSMCも間接的な恩恵が大きいです。
まとめ

Big Tech 4社の6,300億ドルCAPEXは、単なる数字ではなく、メモリ株の売上に具体的に流れ込む資金です。
- 6,300億ドル → AIインフラ約4,000億ドル → GPU・HBM約2,000億ドル → HBM単独500〜700億ドル
- 2026〜2028年累計のHBM市場は約2,340億ドル規模
- メモリ3強(SK Hynix・Micron・Samsung)に売上として積み上がる
- 装置メーカー(東京エレクトロン・アドバンテスト)にも間接恩恵が巨大
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的とするものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。
※Big Tech CAPEX、HBM市場規模、1棟あたりコストなどの数値は、各社IR資料・業界アナリスト推定・公表データを基にした概算値です。実際の数値は変動します。

