Big Tech 4社が2026年に計画する7,000億ドル超の設備投資は、どこへ流れていくのでしょうか。AIデータセンター1棟のHBM調達額を、調査機関の推定をもとに試算します。
※本記事は広告・PRを含みます。2026年5月時点の情報をもとに作成し、HBMのシェアとMicronの決算説明会(2026年9月30日)の内容を2026年10月1日に追記しています。
Big Tech 4社の設備投資7,000億ドル超はどこに流れるのか
📊 NVIDIA Q2 FY27 決算速報(2026年8月26日発表)
売上 962億ドル(+106% Y/Y)、Data Center売上 890億ドル(+117% Y/Y)。Q3見通しは1,080億ドル、通期FY2028は売上成長 約70%の見通しです。
2026年、Microsoft・Alphabet(Google)・Meta・AmazonのBig Tech 4社は、合計で7,000億ドルを超えるCAPEX(設備投資)を計画しています。前年のほぼ2倍にあたり、その大部分はAIデータセンター関連の投資です(2026年4月末時点の各社計画、Sherwood News(2026年4月30日))。
こうした大きな数字を見るときは、「そのお金が最終的にどの会社の売上になるのか」を逆にたどると整理しやすくなります。設備投資はAIデータセンターに投じられ、その中でGPU・HBM(高帯域幅メモリ)・その他の部品に分かれていきます。このお金の流れを追うと、メモリ株にどのくらいのお金が向かうのかを数字で考えられます。
本記事の要点:B200 1基に載るHBMのコストは約2,900ドル(調査機関Epoch AIの推定)。GPU 10万基のAIデータセンターなら、HBMだけで約2.9億ドルの計算になる。HBM市場全体は、Micronの見通しで2028年に約1,000億ドル規模。
ただし、本記事の調達額は推定をもとにした試算で、実際の調達額は公表されていません。どの数字が推定なのかを確かめながら、読み進めてみてください。
Big Tech 4社の2026年設備投資計画
| 企業 | 2026年の設備投資計画 |
|---|---|
| Amazon | 約2,000億ドル |
| Alphabet(Google) | 約1,800〜1,900億ドル |
| Microsoft | 約1,900億ドル |
| Meta | 約1,250〜1,450億ドル |
| 4社合計 | 7,000億ドル超 |
※2026年4月末の決算発表時点の計画。出典:Sherwood News(2026年4月30日)。会計年度の区切りは各社で異なります。
GPU 1基には、どれだけのHBMが載っているのか
| GPU | HBM容量 | HBMスタック数 |
|---|---|---|
| H100 SXM | 80GB | HBM3 ×5 |
| H200 SXM | 141GB | HBM3E ×6 |
| B200 SXM | 192GB | HBM3E ×8 |
| GB200 Superchip | 384GB | HBM3E ×16 |
| Rubin(次世代) | 288GB | HBM4 ×8 |
HBMの取引価格は公表されていません。調査機関Epoch AIは、B200(NVIDIAのAI向けGPU)に載る192GBのHBM3Eのコストを約2,900ドルと推定しています。これは、B200の製造コスト(約6,250ドル)の約46%にあたるとしています(Epoch AI(2025年12月10日公開))。B200本体の販売価格は1枚3万〜4万ドル程度と報じられています(同)。
1棟あたりのHBM調達総額を試算します
AIデータセンター1棟のHBM調達額(B200 10万基の場合)
= GPU数 × 1 GPUあたりHBMコスト(Epoch AIの推定)
= 100,000基 × 約2,900ドル
= 約2.9億ドル(1ドル=150円なら約435億円)
お金の流れを可視化:
Big Tech 4社の設備投資 7,000億ドル超(2026年計画)
↓
AIデータセンター(GPUサーバー・電源・冷却・建屋など)
↓
GPU(1基ごとにHBMを搭載)
↓
HBMを作るメモリ3強の売上
この資金フローの受益者としてよく挙がるのがMicron(MU)
米国メモリ株Micron(MU)はHBM受益の直接的な銘柄。DMM株はNISA口座なら米国株の取引手数料0円(課税口座は約定代金×0.495%・上限22ドル)で、1株から投資可能です(1株の金額は株価で大きく変わります)。
HBM市場全体の見通し
| 年 | HBM市場規模 | 出典 |
|---|---|---|
| 2025年 | 約350億ドル | Micronの見通し |
| 2028年(見通し) | 約1,000億ドル |
Micronは、HBM市場が年平均約40%で伸び、2028年には約1,000億ドルに達するとの見通しを示しています(Micron 2026年度第1四半期 決算説明資料(2025年12月17日))。
この見通しは2025年12月時点のものです。2026年9月30日の決算説明会の原稿には、市場規模の新しい数字は載っていませんでした。その代わりに、業界全体のHBMの出荷量は2028年まで普通のDRAMより速く伸びる見込みとし、2027年分のHBMの供給量の大部分は、前年より大幅に高い価格で契約済みだと説明しています(Micron 説明会の原稿(2026年9月30日))。GPUの台数だけでなく、HBMの単価の上がり方も、メモリ3強の売上を左右する点です。
最も恩恵を受けやすい企業
| 企業 | HBM出荷シェア(2025年7〜9月期) | HBM売上シェア(2026年4〜6月期) |
|---|---|---|
| SK Hynix | 約57% | 50% |
| Samsung Electronics | 約22% | 33% |
| Micron Technology | 約21% | 18% |
※出典:2025年7〜9月期はCounterpoint Research調べ(報道)。2026年4〜6月期はCounterpoint Research調べ(The Asia Business Daily 2026年9月3日)。時点と数え方(出荷か売上か)が違うため、2つの列はそのまま比べられません。売上シェアでは、SK Hynixは前年同期の64%から下がり、Samsungは1〜3月期の21%から伸ばしています(同)。
間接的な恩恵:HBM製造装置メーカー
- 東京エレクトロン(8035):成膜・エッチング装置で高いシェアを持つ
- アドバンテスト(6857):HBMテスタの大手
- ASML(オランダ):露光装置の独占的供給
この資金フローの恩恵を受けやすい3銘柄
| No. | 銘柄 | HBM関連度 | 購入先 |
|---|---|---|---|
| 1 | SK Hynix(000660) | ★★★★★ | SBI証券(韓国株) |
| 2 | Micron Technology(MU) | ★★★★★ | DMM株 |
| 3 | アドバンテスト(6857) | ★★★★☆ | 松井証券 |
米国株・日本株の両方をカバーする口座の組み合わせ
DMM株(米国メモリ株)と松井証券(日本半導体装置株)の両口座を開設すれば、米国と日本の関連銘柄の両方を売買できるようになります。
Q&A
Q. Big Tech 4社のCAPEX合計はどのくらいですか?
A. 2026年4月末時点の各社計画では、Microsoft・Alphabet・Meta・Amazonの4社合計で7,000億ドルを超え、前年のほぼ2倍です(Sherwood News、2026年4月30日)。
Q. 1 GPUあたりのHBM調達コストは?
A. 調査機関Epoch AIの推定(2025年12月)では、B200に載る192GBのHBM3Eのコストは約2,900ドルで、B200の製造コスト(約6,250ドル)の約46%を占めます。GPUダイ本体より高く、最大の費目です。
Q. AIデータセンター1棟のHBM総額は?
A. 本記事の試算では、B200を10万基導入するAIデータセンターの場合、HBMの調達額は約2.9億ドルです(1基あたり約2,900ドルとして計算)。
Q. HBM調達の恩恵を最も受ける企業は?
A. HBMの出荷シェアはSK Hynix約57%、Samsung約22%、Micron約21%(Counterpoint Research調べ・2025年7〜9月期)で、メモリ3強が直接的な恩恵を受けます。直近の2026年4〜6月期の売上シェアでは、SK Hynix 50%、Samsung 33%、Micron 18%です(同社調べ・The Asia Business Daily 2026年9月3日)。またHBM製造装置の東京エレクトロン・アドバンテスト、パッケージングのTSMCも間接的な恩恵を受けます。
まとめ
Big Tech 4社の設備投資(2026年計画で7,000億ドル超)の一部は、HBMを通じてメモリ株の売上に流れ込む資金です。GPUの台数が増えるほど、その裏側でHBMの調達額も積み上がっていきます。
- B200 1基のHBMコストは約2,900ドル(Epoch AIの推定)→ 10万基で約2.9億ドル
- HBM市場はMicronの見通しで2028年に約1,000億ドル規模
- メモリ3強(SK Hynix・Micron・Samsung)に売上として積み上がる
- 装置メーカー(東京エレクトロン・アドバンテスト)にも間接的な恩恵
気になる方は、Micronの決算説明資料を一度開いて、HBM市場の見通しがどう書かれているかを確かめておくと、ニュースの数字が読みやすくなります。
※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的とするものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。
※設備投資計画はSherwood News(2026年4月30日)、HBMコストはEpoch AIの推定(2025年12月)、HBM市場規模はMicronの見通し(2025年12月)、HBMシェアはCounterpoint Researchの集計(2025年7〜9月期の出荷シェアと2026年4〜6月期の売上シェア)、HBMの契約の状況はMicronの決算説明会(2026年9月30日)によります。1棟あたりの金額は本記事の試算です。実際の数値は変動します。

