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イスラム金融とは?|利子を禁止する投資の世界が約4兆ドル規模に成長した理由

幾何学模様のタイルと真鍮のランタン、閉じた本を並べたイスラム金融のアイキャッチ 投資・資産運用
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利子を禁止するイスラム法のもとで、金融はどう成り立っているのか。売買・出資・リースを使った独自の仕組みと、市場が大きく育った背景をまとめました。

※本記事は広告・PRを含みます。2026年4月時点の情報をもとに作成しています。投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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この記事でわかること

  • 利子の禁止など、イスラム金融の基本の考え方
  • 利子を使わずに利益を出す仕組み(売買・出資・リース)とスクーク
  • 市場が大きく育った背景と、日本での広がり

先に結論:イスラム金融は、利子を取る代わりに、売買の差益・事業への出資・リースといった実物の取引から利益を得る仕組みです。リスクを分け合い、実体のある経済活動と結びつけるという考え方は、宗教を問わず健全な投資を考えるヒントになります。なじみのない世界ですが、身近な住宅ローンやリースと比べながら読むと、ぐっとわかりやすくなります。

「利子を取ってはならない」――この宗教的な戒律のもとで、どうやって金融ビジネスが成り立つのでしょうか。不思議に思う方も多いはずです。実際には、イスラム金融は世界で約3.9兆ドル(2024年、IFSB)の規模に育ち、イスラム圏だけでなくロンドンや香港でも使われています。この記事では、利子なしで利益を生むイスラム金融の独自の仕組みと、急成長の背景をわかりやすく解説します。

イスラム金融の基本原則

イスラム金融は、イスラム法(シャリーア)に基づく金融活動をまとめた呼び方です。根っこにあるのは、コーラン(クルアーン)に記された「リバー(利子・利息)の禁止」という教えです。お金そのものからお金を生むことは正しくないとされ、利益は実体のある経済活動から得るべきだと考えられています。

利子の禁止のほかにも、大切な原則がいくつかあります。まず「ガラル」の禁止です。ガラルとは、行き過ぎた不確実さやあいまいさのことで、契約の条件がはっきりしない取引は認められません。そのため、一部のデリバティブ取引や、ギャンブルのような投機は対象から外れます。

次に「マイシール」の禁止があります。これはギャンブルの禁止のことで、運だけに頼る賭けのような取引は許されません。また、アルコール、豚肉、武器、ポルノグラフィーなど、イスラム法で禁じられた産業への投資もできません。

こうした制約は、ビジネスを難しくするように見えるかもしれません。ところが、リスクを分け合い、実体経済と結びつけることを大切にするこの原則は、2008年の世界金融危機のときに注目を集めました。行き過ぎたレバレッジ(借り入れを使った取引)や実体のない金融商品がリーマンショックの原因になった一方で、イスラム金融機関への影響は比較的小さかったとされるからです。

利子なしでどう利益を出す?

利子が禁止されているなら、銀行や投資家はどうやって収益を上げるのか。イスラム金融では、利子の代わりに、いくつかの独自の仕組みが使われています。

ムラーバハ(売買契約)は、イスラム金融でもっとも一般的な方法です。たとえば住宅ローンなら、銀行が物件を買い、それを顧客に分割払いで売ります。売値には銀行の利益が上乗せされていますが、これは売買の差益で「利子」ではないとされます。分割払いの総額は最初から示されるので、ガラル(あいまいさ)の原則にも反しません。

ムダーラバ(利益分配型出資)は、投資家がお金を出し、事業者が労働と専門知識を出す仕組みです。利益は前もって決めた割合で分け、損失は原則としてお金を出した側が負います。ベンチャーキャピタルの仕組みに近いといえるでしょう。

ムシャーラカ(共同出資)は、複数の人がお金を出し合い、利益も損失も出した割合に応じて分ける方式です。いわばパートナーシップで、リスクとリターンを公平に分け合う点に、イスラム金融の考え方がよく表れています。

イジャーラ(リース契約)は、銀行が資産を買って顧客に貸し、リース料を受け取る仕組みです。リース期間が終わると所有権が移るタイプもあり、利子つきローンの代わりとして、住宅や設備を手に入れるときに広く使われています。

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スクーク(イスラム債券)の仕組み

スクーク(Sukuk)は、イスラム法に沿った、債券のような金融商品です。ふつうの債券が「借金の証書」で利子を払う仕組みなのに対し、スクークは「資産の持ち分の証書」です。裏付けとなる実物の資産やプロジェクトから生まれた収益を、投資家に分配します。

たとえば、政府が高速道路の建設資金を集めるためにスクークを出す場合、投資家は高速道路の共同所有者となり、通行料の収入の一部を受け取ります。形の上では利子ではなく、資産から生まれる収益の分配という位置づけです。

スクークの市場は急速に広がっていて、マレーシア、サウジアラビア、UAE、インドネシアなどが主な発行市場です。イギリス政府も2014年に、西洋の国として初めてスクークを発行し、大きな注目を集めました。発行額は2億ポンドで、投資家からの申し込みは発行額の10倍以上に達したとされています。

約4兆ドル規模の市場に育った背景

イスラム金融が約4兆ドル規模にまで育った背景には、いくつかの理由があります。イスラム金融サービス委員会(IFSB)の報告書では、2024年の業界の総資産は3.88兆ドルとされています。

第一に、イスラム圏の経済成長です。中東の産油国やマレーシア、インドネシアなどの経済発展とともに、シャリーアに沿った金融サービスを求める人が大きく増えました。世界のイスラム教徒の人口は約19億人で、市場にはこれから広がる余地も大きく残っています。

第二に、イスラム圏の外からの関心の高まりです。「実体経済との結びつき」「リスクの公平な分け合い」という原則は、リーマンショックの後に特に注目されました。倫理的な投資やESG投資(環境・社会・企業統治に配慮する投資)とも相性がよく、宗教に関係なく共感する投資家が増えています。

第三に、各国の制度づくりです。マレーシアは1983年にイスラム銀行法を定め、イスラム金融の中心地としての地位を築きました。バーレーン、UAE、サウジアラビアなども法律を整え、ロンドンや香港もイスラム金融を受け入れる制度を用意しています。

フィンテック(金融とITを組み合わせたサービス)の進化も追い風です。スマートフォンのアプリで使えるイスラム金融サービスが広がり、若い世代のイスラム教徒が、シャリーアに沿った金融商品をより手軽に使えるようになっています。

日本でも利用できる?

日本のイスラム金融はまだこれからですが、少しずつ動きが出ています。2008年の銀行法の見直しで、日本の銀行グループがイスラム金融の商品を扱える道が開かれました。三菱UFJ銀行やみずほ銀行は、海外の拠点を通じてスクークの引き受けや発行に加わっています。

個人で見ると、国内でシャリーアに沿った投資信託を直接買える選択肢は、まだ限られていますが、海外のイスラム金融の商品にふれる方法はあります。また、イスラム金融に近い考え方の倫理的な投資は、ESG投資という形で日本でも広がってきています。

日本を訪れるイスラム教徒の観光客や、日本で暮らすイスラム教徒の人たちが増えるにつれて、イスラム金融への理解と需要はこれから高まっていくと考えられます。違う文化の金融の仕組みを知ることは、投資の視野を広げるだけでなく、世界の経済の動きを理解するうえでも役に立ちます。

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まとめ

イスラム金融は、宗教の戒律から生まれた独自の金融の仕組みですが、その原則には、どこでも通じる知恵がふくまれています。実体経済に基づいて利益を求めること、リスクを公平に分け合うこと、行き過ぎた投機を避けること。どれも宗教を問わず、健全な投資の基本といえるでしょう。

約4兆ドル規模に育ったイスラム金融は、もう一部の人だけのものではありません。世界の金融をいろいろな角度から理解するためにも、イスラム金融の考え方を知っておくことは、現代の投資家にとって役に立つ教養になるはずです。

ムラーバハやイジャーラの仕組みを、ふだん目にする住宅ローンやリース契約と見比べておくだけでも、利子とは何かを考えるきっかけとして十分です。

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本記事は、一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や投資判断を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において行ってください。本記事の内容は執筆時点のものであり、税制や商品仕様は変更される場合があります。元本の保証はなく、投資により損失が発生する可能性があります。

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※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。掲載している情報は2026年4月時点の公開情報・各社IR資料をもとに作成していますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。投資にはリスクが伴います。投資判断および売買の最終決定はご自身の責任で行ってください。

個人投資家として、自分の資金で売買しています。いまの中心は米国株とS&P500です。2017年に投資信託から始め、2020年に数百万円まで積み上げた資産を、米国株とS&P500を軸にした運用で、2026年までの6年で7倍以上にしました。別に本業を持っているので、決算資料を読むのは平日の夜と週末です。専門家ではありません。決算資料と公式IRを一次情報として自分で読み、自分が判断するために整理したものを、そのまま記事にしています。だから、わからないことは「わからない」と書きます。※これは個人の結果であり、同じ成果を保証するものではありません。投資の最終判断はご自身でお願いします。

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