※本記事は広告・PRを含みます。2026年5月時点の情報をもとに作成しています。
この記事でわかること
- 北欧で家事代行が「合理的な選択」とされる理由
- スウェーデン・フランス・ベルギー・フィンランドの税控除などの制度
- 日本で「贅沢」と思われやすい4つの理由と、変わり始めた背景
先に結論:北欧やフランス、ベルギーで家事代行が「当たり前」になった背景には、税控除などの制度と、限られた時間を大切に使うという考え方があります。日本にはこうした税控除の制度はありませんが、共働き世帯の増加などで、「贅沢」という見方は少しずつ変わり始めています。「頼むのは、なんだか気が引ける……」という方も、よその国の事情を知ると、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
「家事代行を頼むなんて、贅沢じゃない?」
日本では、まだこう感じる方が少なくありません。でも世界には、家事代行を「贅沢」ではなく「当たり前の、合理的な選択」として根づかせた国があります。
共働きが一般的なスウェーデンには、家事代行の費用の半額が税控除される制度があります。フランスでは、家事代行の利用が雇用を生むことにもつながる、という考え方が根づいています。
この記事では、家事代行が「当たり前」になった国々の例を紹介しながら、日本ではなぜまだ「贅沢」と思われがちなのか、その理由と変化の兆しを探っていきます。
北欧では家事代行は「贅沢」ではなく「合理的選択」
スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドなどの北欧諸国では、家事代行は「お金持ちの特権」ではなく、「共働き家庭が時間を上手に使うための合理的な選択」として受け止められているといわれます。
その背景にあるとされるのが、ジェンダー平等の価値観です。北欧では「家事は女性の仕事」という考え方が弱く、夫婦で家事を分担するのが前提の家庭が多いとされます。そのうえで、すべてを家庭の中で抱え込まず、必要に応じて外のプロに任せる、という柔らかな発想があります。
家事代行を使う理由も、「楽をしたいから」というより、「限られた時間を家族や自分の成長、趣味に使うため」と説明されることがよくあります。時間は限りある資源です。その使い方を考えて家事代行を選ぶのは、合理的な判断といえます。
共働きが一般的なスウェーデンの家事事情
スウェーデンは、世界で最も男女平等が進んだ国の一つとして知られています。女性の就業率が高く、夫婦共働きが一般的です。
では、こうした社会で、家事はどう回っているのでしょう。大きく分けると、「公的支援」「テクノロジー」「家事代行」の三本柱です。
まずは、公的支援の充実です。スウェーデンでは480日間の育児休暇制度があり、そのうち90日は父親に割り当てられています。公立の保育料には所得に応じた上限額が定められていて、育児の負担を社会全体で分かち合う仕組みが整っています。
次に、テクノロジーの活用です。食洗機や乾燥機などの家電も、毎日の家事の負担を軽くする手段として使われています。洗濯物を干す作業がなくなるだけでも、家事の時間は短くなりますね。
そして、家事代行サービスの利用です。スウェーデンには、2007年に導入された「RUT控除」という制度があり、家事代行サービスの作業代(人件費)の50%を所得税から控除できます。この制度は、家事代行の利用を後押しする仕組みとして知られています。
家事代行に税控除がある国々
家事代行を国の制度で後押ししている国は、スウェーデンだけではありません。ほかの国の仕組みも見てみましょう。
フランスは、家事代行を含む「対人サービス(Services à la personne)」に、手厚い税制優遇を設けている国です。家事代行、ベビーシッター、家庭教師、介護サービスなどの費用に対して、50%の税額控除または還付が受けられます。この制度は、家事代行の利用を広げるだけでなく、雇用を生むことや、地下経済(申告されない働き方)を減らすことも目的としています。
ベルギーでは「サービスバウチャー制度(Titres-services)」が導入されています。利用者は政府が補助したバウチャー(利用券)を購入し、それを使って家事代行サービスを利用します。バウチャー1枚で家事代行1時間分を利用でき、価格は地域によって異なります。2026年時点で、ブリュッセル首都圏地域では年300枚まで1枚11.40ユーロ(2026年1月から・税控除は2025年購入分で終了)、ワロン地域では年175枚まで1枚10.60ユーロ(2026年7月から)で、ワロン地域には最初の150枚について1枚0.90ユーロの税の軽減が残っています(出典:Titres-Services Bruxelles、Titres-Services Wallonie)。
フィンランドでも家事代行サービスに対する税控除制度があり、2025年以降は、会社に頼んだ作業費(税込)の35%から年150ユーロを差し引いた額を、1人あたり年間最大1,600ユーロまで税額から控除できます(2024年までは最大2,250ユーロ。2026年9月時点で、税務庁は2026・2027年分の一時的な引き上げが政府から提案されていると案内しています。出典:フィンランド税務庁)。この制度は「家庭の修繕や家事サービスに対する控除」という枠組みで運用されており、リフォームや庭の手入れなども対象に含まれています。
これらの国々に共通するのは、家事代行を「個人の消費」ではなく「社会的に意義のある活動」として位置づけている点です。家事代行サービスの利用が増えれば、雇用が生まれ、女性の社会進出が促進され、税収も増えるという好循環が期待されています。
日本には、こうした税控除のような国の制度はありません。一方で、経済産業省の福利厚生導入実証事業(利用料金の補助)や、一部の自治体による利用料の補助が行われています(2024年7月公表の時点。出典:矢野経済研究所「住まいと生活支援サービスに関する調査を実施(2024年)」)。
日本で家事代行が「贅沢」と思われる理由
では、なぜ日本では家事代行が「贅沢」と思われがちなのでしょうか。よく挙げられる理由を、順に見てみます。
第一に、「自分のことは自分でやるべき」という美徳意識です。日本には古くから「自助」の精神があり、家事を含む日常の営みは自分自身(あるいは家族)でこなすことが美徳とされてきました。この価値観は勤勉さや自立心を育てる一方で、「人に頼ること=怠け」という思い込みにもつながりやすい面があります。
第二に、「主婦が家事を完璧にこなすべき」という圧力です。戦後の高度成長期に定着した性別役割分業の名残は、令和になってもあちこちに残っています。「お母さんの手料理」「きれいに片づいた家」といった理想像が、家事を外に頼むことへの罪悪感につながっている面もあるでしょう。
第三に、他人を家に入れることへの心理的抵抗です。自宅というプライベートな空間に他人を招き入れることに、抵抗を感じる人は少なくありません。「家の中を見られたくない」「散らかっているのが恥ずかしい」という気持ちは、よくわかります(掃除を頼む前に、つい掃除をしたくなる、あれです)。この気持ちが、申し込みをためらう理由の一つになっています。
第四に、制度的な後押しの不足です。北欧やフランスのような税控除制度は日本にはありません。国の実証事業や一部の自治体の補助はあるものの、誰でも使える仕組みではなく、費用は基本的に利用者の負担です。こうした経済的な後押しの少なさも、「贅沢」という印象を強めている一因といえるでしょう。
こうした理由が重なって、「家事代行=贅沢」というイメージができあがっています。ただ、この意識は少しずつ変わり始めています。
意識が変わり始めた日本の家事代行
変化を後押ししているのは、いくつかの社会の動きです。
共働き世帯の増加は、大きな推進力です。2020年代には共働き世帯が専業主婦世帯の2倍以上になり、「家事は主婦がやるもの」という前提そのものが変わりつつあります。仕事と家事の両立に悩む家庭にとって、家事代行は現実的な解決策の一つになってきました。
コロナ禍も、意識の変化を後押ししました。家で過ごす時間が増えて、家の清潔さや快適さへの関心が高まったのです。リモートワークが広がり、「仕事の時間と家事の時間の境目」があいまいになったことで、プロの力を借りて家事を効率よく回したい、という声も出てきました。
マッチング型サービスの登場も重要な変化です。タスカジやCaSyなどのプラットフォームで、スマートフォンから簡単に予約できるようになりました。タスカジのように、料金が1時間1,500円〜と手ごろな価格帯のサービスも出てきています。「まずは1回だけ試してみよう」と思うまでのハードルも、ぐっと下がりました。
SNSによる口コミの影響も見逃せません。InstagramやXで家事代行のビフォーアフター写真や感想が共有され、使った人の声に触れる機会が増えました。身近な人が使っていると知ると、「自分も試してみようかな」と思いやすくなるものです。
世代によっても受け止め方は違うかもしれません。「時間をお金で買う」という考え方になじみがある人なら、ロボット掃除機やドラム式洗濯乾燥機と同じ感覚で、家事代行を「生活を効率化する手段」の一つとして捉えやすいでしょう。
家事代行だけの将来の市場規模を示した公的な予測は見当たりませんが、共働き世帯の増加などを考えると、利用が広がる余地はありそうです。もし北欧のような税控除の制度ができれば、大きな後押しになるかもしれません。「贅沢」から「当たり前」へ。日本の家事代行は、ちょうどその途中にいるといえそうです。
共働きで手が回らないぶんを外に出す、という考え方は日本でも広がっています。1回だけ試すのではなく、毎週・隔週で同じ人に続けて来てほしいなら、毎回同じサポーターが来る専任制の定期サービス、きらりライフサポート(東京・神奈川・千葉・埼玉)があります。
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まとめ
北欧やフランス、ベルギーなど、家事代行が「当たり前」になった国々には、税控除制度やジェンダー平等の意識、そして「家事は社会全体で支えるもの」という共通の考え方があります。
日本ではまだ「贅沢」というイメージが残っていますが、共働き世帯の増加やマッチング型サービスの広がり、国の実証事業や一部自治体の補助などにより、その壁は少しずつ低くなりつつあります。
家事代行は怠けることではなく、限られた時間を大切に使うための選択肢の一つです。各サービスの特徴を比べて、自分に合う家事代行を探してみてください。
今週いちばん時間を取られた家事をひとつ思い出して、それを頼むといくらかかるのか、一度調べておくと判断しやすくなります。

