光電融合(光インターコネクト)関連株の決算をまとめました。ルメンタムは売上+90%で過去最高、マーベルはデータセンター部門が過去最高の18.3億ドル。コヒレントも+21%。AIデータセンターの配線需要がどこに出ているかを整理します。
この記事の結論(30秒)
- 伸び率がいちばん大きいのはルメンタム。売上+90%で過去最高、次の四半期は初めて10億ドルを超える見通しです。
- 規模がいちばん大きいのはマーベル。データセンター部門だけで18.3億ドル=全体の76%を占めます。
- コヒレントは+21%と堅実。利益率の改善が進んでいます。
- ⚠️ 3社は決算期がバラバラです。単純に横並びで比べられません。この記事では「いつまでの数字か」を必ず明記しています。
- 次の決算は8月中旬〜下旬。コヒレントは8月12日の予定です。
光電融合とは|「電気の線」を「光」に置き換える技術
AIの計算では、大量のデータをチップとチップの間でやり取りします。これまでは銅の配線(電気)で送っていましたが、速くしようとするほど熱くなり、電気を食うという限界に近づいています。
そこで、データのやり取りを光に置き換えるのが光電融合(光インターコネクト)です。光は熱くなりにくく、遠くまで速く送れます。AIの性能を上げたいほど、光が必要になるという関係にあります。技術の詳しい仕組みと注目銘柄の全体像は「光インターコネクト・CPO関連株 完全ガイド」にまとめています。
3社の最新決算(対象期間つき)
⚠️ 3社は決算期が違います。コヒレントとルメンタムは6月期、マーベルは1月期です。下の表は「各社がいちばん最近発表した四半期」を並べたもので、まったく同じ期間の比較ではありません。
| 企業 | 対象期間/発表日 | 売上 | 利益 |
|---|---|---|---|
| マーベル テクノロジー MRVL |
FY2027 第1四半期 2026年5月27日 発表 |
24.18億ドル 前年同期比+28% |
データセンター部門 18.3億ドル(過去最高) 全体の76%・前期比+11% |
| コヒレント COHR |
FY2026 第3四半期 2026年3月31日まで 2026年5月6日 発表 |
18.1億ドル 前年同期比+21% |
調整後EPS 1.41ドル 調整後粗利率 39.6% |
| ルメンタム LITE |
FY2026 第3四半期 2026年3月28日まで 2026年5月5日 発表 |
8.08億ドル 前年同期比+90%・過去最高 |
調整後EPS 2.37ドル 調整後粗利率 47.9% |
① ルメンタム|伸び率90%、次は初の10億ドル超えへ
2026年3月28日までの3か月で、売上は8.08億ドル・前年同期比+90%と過去最高でした。調整後の粗利率47.9%・調整後EPS 2.37ドルと、利益率も高い水準です。
注目は次の四半期の見通しです。会社は9.60億〜10.10億ドルを見込んでおり、上限が初めて10億ドルを超えます。調整後EPSも2.85〜3.05ドルと、さらに伸びる想定です。3社の中でいちばん勢いがあるのがルメンタムと言えます。
② マーベル|規模で圧倒、買収で光の技術を取り込んだ
FY2027第1四半期の売上は24.18億ドル・前年同期比+28%で、会社自身の見通しの中央値も1,800万ドル上回りました。中身を見るとデータセンター部門が18.3億ドルで過去最高、全体の76%を占めています。前の四半期からも11%伸びました。
戦略面では、2026年2月にCelestial AI(2月2日完了)とXConn(2月10日完了)の買収を完了しています。どちらも光でつなぐ技術・チップ同士をつなぐ技術の会社で、マーベルが「光でつなぐ」領域を本気で取りにいっていることがわかります。
通期の見通しも引き上げました。FY2027で約115億ドル、FY2028で約165億ドルを見込んでいます。
③ コヒレント|伸びは穏やかだが、利益率が改善している
2026年3月31日までの3か月で、売上18.1億ドル・前年同期比+21%(事業再編の影響を除いたベースでは+27%)。粗利率はGAAPで37.7%(前年同期比+2.43ポイント)、調整後で39.6%(同+1.05ポイント)と着実に改善しています。調整後EPSは1.41ドルでした。
ジム・アンダーソンCEOは「AIデータセンターの基盤が拡大し続けるなか、需要に応えるため能力を急速に拡大している」と述べています。
この3社から読み取れること
1. 光は「これから」ではなく「もう来ている」。ルメンタム+90%、マーベルのデータセンター部門が過去最高。AIの配線を光に置き換える動きは、すでに各社の売上として表に出ています。
2. 立ち位置が三者三様です。ルメンタムは部品(レーザーなど)で伸び率が高い。マーベルはチップと合わせて規模が大きい。コヒレントは幅広い製品で堅実。「伸び率を取るか、規模の安定を取るか」で選ぶ銘柄が変わります。
3. 買収が進んでいます。マーベルがCelestial AIとXConnを買ったように、光の技術は「持っている会社を買う」段階に入りました。この分野は今後も業界地図が動きます。
次の決算はいつ?
コヒレントは2026年8月12日に次の決算(FY2026第4四半期)を発表する予定です。ルメンタム・マーベルも8月中に発表が見込まれます。数字が出そろい次第、この記事を更新します。
半導体全体の4〜6月期の決算は「半導体決算まとめ|メモリ・ファウンドリ・CPU・製造装置」で整理しています。
よくある質問
Q. 3社の数字を単純に比べていいですか?
A. いいえ。決算期が違うため、同じ期間の比較にはなりません。「伸び率の傾向」を見る目安としてご覧ください。
Q. 光電融合とCPOは同じですか?
A. CPO(Co-Packaged Optics)は光電融合の実現方法のひとつで、光の部品をチップのすぐ隣に載せるやり方です。光電融合のほうが広い言葉です。
Q. 日本の会社はありませんか?
A. あります。ただし各社とも光だけを手がけているわけではないため、決算から光の部分だけを取り出すのが難しく、この記事では米国3社に絞りました。
まとめ
光電融合は、AIの性能を上げようとするほど必要になる技術です。ルメンタムの+90%、マーベルのデータセンター過去最高という数字は、その需要がすでに実際の売上になっていることを示しています。
ただし3社とも米国上場です。日本から買うには外国株を扱う証券口座が必要です。
出典
- Marvell Technology「Reports First Quarter of Fiscal Year 2027 Financial Results」2026年5月27日
- Coherent Corp.「Reports Third Quarter Fiscal 2026 Results」2026年5月6日(2026年3月31日締め)
- Lumentum Holdings「Announces Third Quarter of Fiscal Year 2026 Financial Results」2026年5月5日(2026年3月28日締め)
