光電融合(光インターコネクト)関連株の決算をまとめました。ルメンタムは売上+90%で過去最高、マーベルはデータセンター部門が過去最高の18.3億ドル、コヒレントも+21%です。AIデータセンターの配線の需要が、どこに表れているのかを整理します。
この記事の結論(30秒)
- 伸び率がいちばん大きいのはルメンタム。売上+90%で過去最高、次の四半期は初めて10億ドルを超える見通しです。
- 規模がいちばん大きいのはマーベル。データセンター部門だけで18.3億ドル=全体の76%を占めます。
- コヒレントは+21%と堅実。利益率の改善が進んでいます。
- ⚠️ 3社は決算期がバラバラです。単純に横並びで比べられません。この記事では「いつまでの数字か」を必ず明記しています。
- 数字は2026年5月発表分です。記事作成時点(2026年8月6日)で、各社の次の決算は8月中旬〜下旬の予定でした。
伸びている数字が並びますが、株価がそのとおりに動くとは限りません。「いつの、どの期間の数字か」に気をつけながら見ていきましょう。
光電融合とは|「電気の線」を「光」に置き換える技術
AIの計算では、大量のデータをチップとチップの間でやり取りします。これまでは銅の配線(電気)で送ってきましたが、速くしようとするほど熱くなり、電気を食うという限界に近づいています。
そこで、データのやり取りを光に置き換えるのが、光電融合(光インターコネクト)です。光は熱くなりにくく、遠くまで速く送れます。AIの性能を上げたいほど、光が必要になるという関係です。技術の詳しい仕組みと注目銘柄の全体像は、「CPO関連株の全体地図【2026年9月】光インターコネクト日米13社を工程別に」にまとめています。
3社の決算(2026年8月6日時点で発表済みの四半期)
⚠️ 3社は決算期が違います。コヒレントとルメンタムは6月期、マーベルは1月期です。下の表は、「各社がいちばん最近発表した四半期」を並べたものです。まったく同じ期間の比較ではありません。
| 企業 | 対象期間/発表日 | 売上 | 利益 |
|---|---|---|---|
| マーベル テクノロジー MRVL |
FY2027 第1四半期 2026年5月27日 発表 |
24.18億ドル 前年同期比+28% |
データセンター部門 18.3億ドル(過去最高) 全体の76%・前期比+11% |
| コヒレント COHR |
FY2026 第3四半期 2026年3月31日まで 2026年5月6日 発表 |
18.1億ドル 前年同期比+21% |
調整後EPS 1.41ドル 調整後粗利率 39.6% |
| ルメンタム LITE |
FY2026 第3四半期 2026年3月28日まで 2026年5月5日 発表 |
8.08億ドル 前年同期比+90%・過去最高 |
調整後EPS 2.37ドル 調整後粗利率 47.9% |
① ルメンタム|伸び率90%、次は初の10億ドル超えへ
2026年3月28日までの3か月で、売上は8.08億ドル・前年同期比+90%と、過去最高でした。調整後の粗利率は47.9%、調整後EPS(一時的な費用などを除いた1株あたりの利益)は2.37ドルで、利益率も高い水準です。
注目したいのは、次の四半期の見通しです。会社は9.60億〜10.10億ドルを見込んでおり、上限が初めて10億ドルを超えます。調整後EPSも2.85〜3.05ドルと、さらに伸びる想定です。3社の中でいちばん勢いがあるのがルメンタムと言えます。
② マーベル|規模で圧倒、買収で光の技術を取り込んだ
FY2027第1四半期の売上は24.18億ドル・前年同期比+28%で、会社自身の見通しの中央値も1,800万ドル上回りました。中身を見ると、データセンター部門が18.3億ドルで過去最高、全体の76%を占めています。前の四半期からも、11%伸びました。
戦略の面では、2026年2月にCelestial AI(2月2日完了)とXConn(2月10日完了)の買収を完了しています。どちらも、光でつなぐ技術や、チップ同士をつなぐ技術を持つ会社です。マーベルが「光でつなぐ」領域を本気で取りにいっていることがわかります。
通期の見通しも引き上げています。FY2027で約115億ドル、FY2028で約165億ドルの見込みです。
③ コヒレント|伸びは穏やかだが、利益率が改善している
2026年3月31日までの3か月で、売上は18.1億ドル・前年同期比+21%(事業再編の影響を除いたベースでは+27%)でした。粗利率はGAAP(米国の会計基準)で37.7%(前年同期比+2.43ポイント)、調整後で39.6%(同+1.05ポイント)と、着実に改善しています。調整後EPSは1.41ドルでした。
ジム・アンダーソンCEOは「AIデータセンターの基盤が拡大し続けるなか、需要に応えるため能力を急速に拡大している」と述べています。
この3社から読み取れること
1. 光は「これから」ではなく「もう来ている」。ルメンタムは+90%、マーベルはデータセンター部門が過去最高でした。AIの配線を光に置き換える動きは、すでに各社の売上として表に出ています。
2. 立ち位置が三者三様です。ルメンタムは部品(レーザーなど)で伸び率が高く、マーベルはチップと合わせて規模が大きく、コヒレントは幅広い製品で堅実です。「伸び率」と「規模の安定」のどちらに注目するかで、見え方が変わります。
3. 買収が進んでいます。マーベルがCelestial AIとXConnを買ったように、光の技術は「持っている会社を買う」段階に入りました。この分野の業界地図は、これからも動きそうです。
この記事の数字の時点
この記事の数字は、2026年5月に発表された四半期決算のものです。記事作成時点(2026年8月6日)では、コヒレントが8月12日に次の決算(FY2026第4四半期)を発表する予定で、ルメンタム・マーベルも8月中の発表が見込まれていました。その後の決算は、この記事には反映していません。最新の数字は、各社の決算発表でご確認ください。
半導体全体の4〜6月期の決算は、「半導体決算まとめ|メモリ・ファウンドリ・CPU・製造装置」で整理しています。
よくある質問
Q. 3社の数字を単純に比べていいですか?
A. いいえ。決算期が違うため、同じ期間の比較にはなりません。「伸び率の傾向」を見る目安としてご覧ください。
Q. 光電融合とCPOは同じですか?
A. CPO(Co-Packaged Optics)は光電融合の実現方法のひとつで、光の部品をチップのすぐ隣に載せるやり方です。光電融合のほうが広い言葉です。
Q. 日本の会社はありませんか?
A. あります。ただし各社とも光だけを手がけているわけではないため、決算から光の部分だけを取り出すのが難しく、この記事では米国3社に絞りました。
まとめ
光電融合は、AIの性能を上げようとするほど必要になる技術です。ルメンタムの+90%、マーベルのデータセンター過去最高という数字は、その需要がすでに実際の売上になっていることを示しています。
ただし、3社とも米国上場です。日本から買うには、外国株を扱う証券口座が必要になります。
次の決算が出たら、各社の決算発表を開いて、この記事の数字からどう変わったかを見比べてみるのがおすすめです。
出典
- Marvell Technology「Reports First Quarter of Fiscal Year 2027 Financial Results」2026年5月27日
- Coherent Corp.「Reports Third Quarter Fiscal 2026 Results」2026年5月6日(2026年3月31日締め)
- Lumentum Holdings「Announces Third Quarter of Fiscal Year 2026 Financial Results」2026年5月5日(2026年3月28日締め)

