※本記事は広告・PRを含みます。2026年9月26日時点で確認した情報をもとに作成しています。
半導体株を調べると、東京エレクトロンやアドバンテストの名前ばかりが出てきます。HBM関連として聞いたことのない会社名を見つけても、それがどの工程の会社なのか分からず、そのまま閉じてしまう。そんな経験はありませんか。
先に結論:8社の多くは決算が好調な一方(アルバックは営業減益)、株価の評価(PER)は約15倍から約78倍まで大きく分かれています。HBMの製造を支える日本の8社を工程ごとに並べ、2026年8月発表の決算と9月25日の株価をそろえました。数字の大小より先に、各社の持ち場の違いを押さえておくと、表の見え方が変わってきます。
この記事の答え
8社は「基板」「前工程の装置」「後工程の装置」「検査」「部材」に分かれ、同じHBM関連でも決算期・業績の伸び・株価の評価がそれぞれ違います。
- 2026年8月の決算で、イビデン・東京精密・日本電子材料の3社が営業利益の通期予想を引き上げ、日本マイクロニクスは通期予想を初めて公表しました
- TOWAは4〜6月期の売上が前年の約2倍でも、通期予想は据え置きです
- 会社予想PERはイビデン約78倍、フェローテック約15倍(2026年9月25日終値・株式分割前、Yahoo!ファイナンス表示)
HBMは「積み重ねる」ぶん、後工程の仕事が増える
HBM(高帯域幅メモリ)は、薄く削ったDRAMのチップを何枚も縦に積み、貫通電極(TSV)でつないだメモリです。AI向けGPUのすぐ隣に置かれます。普通のメモリより「削る・積む・固める・検査する」工程が多く、そこに日本の装置・部材メーカーが関わっています。
大型3社(東京エレクトロン・アドバンテスト・SCREEN HD)は同じ「装置大手」なので、メモリ会社の設備投資が冷えると、一緒に影響を受けやすい面があります。大型株については東京エレクトロン・アドバンテストの解説に、HBMの基礎はHBMとは何かにまとめています。
8社を工程で並べた地図
8社の持ち場は下の表のとおりです。シェアの順位を会社自身が示しているのは、TOWA・日本マイクロニクス・荏原製作所・イビデンの4社です。
| 工程 | 会社(コード) | 何をしているか | 会社が示す強み |
|---|---|---|---|
| 基板 | イビデン(4062) | AI半導体を載せるICパッケージ基板 | ハイエンド市場でトップシェアを維持する方針(2026年5月の説明資料) |
| 前工程の装置 | アルバック(6728) | 成膜(スパッタ)などの真空装置 | — |
| 前工程の装置 | 荏原製作所(6361) | 表面を平らに磨くCMP装置 | CMP装置で世界2位(同社調べ) |
| 後工程の装置 | 東京精密(7729) | ウェハを薄く削るグラインダー | — |
| 後工程の装置 | TOWA(6315) | チップを樹脂で固めるモールディング装置 | モールディング装置で世界シェア首位(同社トップメッセージ) |
| 検査 | 日本マイクロニクス(6871) | ウェハ検査用のプローブカード | メモリ向けでシェアNo.1(中期経営計画FV26) |
| 検査 | 日本電子材料(6855) | プローブカード | — |
| 部材 | フェローテック(6890) | 装置向けの真空シール・部材、サーモモジュール | — |
「—」はシェアの順位を会社資料で確認できなかったもの。2026年9月26日確認。

直近決算と通期予想の一覧(2026年8月発表)
前年と比べられる7社は、直近の決算でいずれも売上が増えました。利益の伸びが大きいのは、検査の日本マイクロニクス(営業利益+105.5%)と日本電子材料(+109.7%)です。
| 会社 | 発表日(決算期) | 直近の営業利益(前年同期比) | 通期の会社予想(営業利益) |
|---|---|---|---|
| イビデン | 8月4日(27年3月期 4〜6月) | 268.8億円(+52.4%) | 1,270億円に上方修正(前回900億円) |
| 東京精密 | 8月4日(27年3月期 4〜6月) | 59.2億円(+29.2%) | 440億円に上方修正(前回400億円) |
| TOWA | 8月6日(27年3月期 4〜6月) | 22.1億円(前年は赤字) | 102.4億円で据え置き |
| 日本電子材料 | 8月7日(27年3月期 4〜6月) | 30.9億円(+109.7%) | 94.5億円に上方修正(前回74.5億円) |
| 日本マイクロニクス | 8月12日(26年12月期 1〜6月) | 155.6億円(+105.5%) | 314億円(8月12日に初めて通期予想を公表) |
| 荏原製作所 | 8月14日(26年12月期 1〜6月) | 506.8億円(+1.2%) | 1,250億円で据え置き(売上収益は上方修正) |
| アルバック | 8月14日(26年6月期 通期) | 196.0億円(△26.1%) | 27年6月期 280億円(+42.9%) |
| フェローテック | 8月14日(26年12月期 4〜6月) | 280.7億円(比較なし) | 600億円(9か月の変則決算) |
出典:各社の決算短信・決算説明資料(東京精密・アルバック・フェローテックほか)と、日本経済新聞・株探の決算記事。金額は1千万円未満を四捨五入。2026年9月26日確認。
アルバックは受注高が3,242億円(+43.7%)で過去最高でしたが、営業利益は前期より減りました。受注が売上・利益に変わるかどうかが、次の確認点です。
株価と時価総額(2026年9月25日終値・株式分割前)
時価総額が1兆円を超えるのはイビデンと荏原の2社で、残る6社は1兆円未満です。会社予想PERはイビデンの約78倍が突出していて、ほかの7社は約15〜24倍に収まっています。
| 会社 | 終値 | 時価総額 | PER(会社予想) |
|---|---|---|---|
| イビデン | 23,345円 | 約6兆6,214億円 | 77.65倍 |
| 荏原製作所 | 4,440円 | 約2兆311億円 | 20.37倍 |
| 東京精密 | 17,675円 | 約7,474億円 | 23.29倍 |
| フェローテック | 10,640円 | 約5,753億円 | 14.77倍 |
| 日本マイクロニクス | 13,830円 | 約5,536億円 | 23.31倍 |
| アルバック | 7,610円 | 約3,756億円 | 19.70倍 |
| TOWA | 2,193円 | 約1,648億円 | 23.50倍 |
| 日本電子材料 | 7,590円 | 約1,113億円 | 16.59倍 |
出典:Yahoo!ファイナンスの各銘柄ページの表示値(2026年9月25日終値、2026年9月26日確認)。株価と指標は日々変わります。
イビデンは、2026年9月30日を基準日として、1株を2株に分ける株式分割を予定しています(2026年8月4日の開示)。9月28日が分割を受けられる最終日で、9月29日(権利落ち日)から株価は分割前のおよそ半分の水準になります。効力発生日は10月1日です。表の終値23,345円は分割前の値段です。フェローテックのPERは、9か月の変則決算の予想をもとにしているため低めに出る点に注意が必要です。
業績の伸びと株価の評価はそろわない
表を並べると、「決算が強い会社ほどPERが高い」とは言えないことが分かります。TOWAは4〜6月期の売上が前年の約2倍でも、PERは約24倍とほかの会社と大きく変わりません。
反対にイビデンには、高い期待が株価に乗っています。会社はAIサーバー向け基板の生産負荷を2028年に2024年の2.5倍と見込み(顧客情報などからの推定)、総額5,000億円の設備投資を進めています。期待が高いほど、決算が少し届かないだけで大きく下がることがあります。どちらが割安かは、この記事では判断しません。
決算期がバラバラなので、比べるときは期間をそろえる
8社の決算期は3月・6月・12月と分かれています。同じ「直近決算」でも、3か月分と6か月分と1年分が混ざるので、前年同期比で比べるのが安全です。
| 決算期 | 会社 | 上の表の「直近」の期間 |
|---|---|---|
| 3月期 | イビデン・東京精密・TOWA・日本電子材料 | 2026年4〜6月(3か月) |
| 6月期 | アルバック | 2025年7月〜2026年6月(1年) |
| 12月期 | 日本マイクロニクス・荏原製作所 | 2026年1〜6月(6か月) |
| 12月期(移行中) | フェローテック | 2026年4〜6月(一部の子会社は6か月) |
フェローテックは、決算日を3月31日から12月31日に変えました。2026年12月期は移行期にあたり、4〜6月期は子会社によって3か月分と6か月分が混ざります。そのため、会社も前年同期比を載せていません。
日本株を買うなら:NISAと手数料で口座を選ぶ
8社はすべて東証に上場しているので、国内株を扱う証券口座ならどこでも買えます。少額から始めるなら、1日の約定代金が合計50万円までは国内株の取引手数料が0円になる松井証券が使いやすい選択肢です(松井証券 公式)。NISAの成長投資枠で買えば、値上がり益と配当が非課税になります。(配当は受け取り方を「株式数比例配分方式」にした場合)
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まとめ:工程と決算期をそろえてから比べる
HBMを支える日本の8社は、基板・装置・検査・部材と持ち場が分かれています。2026年8月の決算発表では3社が営業利益の予想を引き上げ、日本マイクロニクスは通期予想を初めて公表しました。一方で、株価の評価は会社ごとに大きく違います。まず「どの工程の会社か」と「どの期間の数字か」をそろえてから比べるのがおすすめです。
メモリをつくる側の会社の比較は、Samsung vs SK Hynix vs Micronにまとめています。
比べる前に、気になる会社の決算期が何月なのかを、上の表で確かめておくと安心です。
筆者は自分の資金で株式投資をしている個人投資家です。本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。数字は2026年9月26日に各社の発表資料などで確認したもので、その後変わることがあります。投資判断はご自身で行ってください。

